一般社団法人文化遺産調査研究保存継承機構 ゆらび The Yurabi Institute for the Study and Preservation of Japan's Cultural Heritage
「働く」の反対語は何かと質問すると、多くの人は「休む」と答えます。
身体を休めるということは、何かをするための休みであり、働くことと同居した人間の本能的な行動です。
人間の本能である休むことすら忘れ去り、働くことしかしなかった日本人の生活態度が、経済大国を生み出した大きな要因であることは、誰もが認めるところです。しかしそれは、諸外国との経済摩擦を巻き起こし、また生活に潤いを無くし、働き盛りの身体を蝕む要因ともなっています。
私は、「働く」の反対語は「遊び」ではないかと考えています。
コンピュータとの対話が大半を占め、人と人のデリケートな心の交流が薄れ、或は機械装置の一部に組み込まれてしまっては、人間でありながら人間らしさが失われてしまいます。
ますます情報化は進み、社会機構が複雑になればなるほど、自分の全生活を巻き込むメカニズムの支配から、逃れたいという気持ちになるものです。
仕事社会・コンピュータ社会からの脱出のための創造的活動が、人間にとって掛け替えのない、生きがいになってくると考えられます。
日本の伝統文化・芸術を学び触れることによって、日常の生活を豊かに楽しみ、大きな忘れ物を取り戻したいものです。忘れ物は、どこかで管理保管される物です。無くなりはしませんが、一定期間を過ぎると廃棄されるものです。
悠長には待っていられません。速やかに取り返してみませんか。一般社団法人文化遺産調査研究保存継承機構 ゆらび
代表理事 音羽菊公(本仲 紘)